代表取締役 中原次光

昭和53年 辰栄工務店現社長と共に職人として活躍、平成9年に中建設立現在に至る
腕は超一流技術の持ち主、辰栄工務店にとっては無くては成らない親方です。

   床の間周りは、杉丸太の長押や紅白で桧科の杜松ネズ(ネズミサシ)古名むろの落しが絞り丸太の床柱に掘り込んであります、丸太に二段になっている丸太を掘り込むのはかなり慎重な仕事が要求されます。刃物も切れ味良く、触るとすぅと切れるほど研ぎ澄まして取組みます。材料の選択と買い付けは、中原親方が新木場から買い求めたものです。
 大工工事が終わって、京壁や障子が・襖や畳が収まると、和室は穏かさを見せ始め掛け軸や生花等、此処からはお住まいになる人が仕上ます。ある意味和室には、お住まいになる人にとって、どのようにも和の世界を十分に楽しめる物です。是非お人柄を忍ばせる良い使い方を工夫してお使い頂きたい物であります。
 玄関は、秋田杉の腰や下駄箱が作られ天板は見事な秋田杉木目の銘木が使われています。正面飾り処の板も、壁との釣り合いからか丸みを付けて和洋折中の雰囲気になっております。この辺は中原流、素晴らしい対応を見せています。材料から見ても親方としては、此処は和の玄関に徹したかったかも、玄関から和室までに洋間があり此処は涙を呑んで、和洋折中で秋田の木目を選んだのでしょう。
 ダイニングルームとオープンにしたリビングキッチンになっています。玄関から廊下リビングと腰板に秋田杉が使われ、時代を経過するごとに味わいを増して行く事でしょう。今は、優れた接着剤によって思い切った仕事もできます。木は収縮するもので、昔は仕事に必ず逃げを考えました、たとえば板の継ぎ目は必ず目地に裏板を入れなければ隙間ができます。大工の基本は逃げを知る事でもあると言われます。
   高齢者向けにと、考えられた施工法が施されています。日本の考え方も、改めなければいけない事は沢山あります。やればできる事はやらなくてはいけません。必要ならば、それは対応していきたい、それも技術者の使命です。社会の必用とともに我々の修行も生涯続くと言う事でしょう。